『海外モバイルにそなえて』 |
近頃は海外にノートパソコンを持参して現地で電子メールやインターネットを利用する人が増えています。しかし外国でインターネットを使うためには、最低限でもノートパソコンに供給する電源と、モデムをつなぐ電話回線、それにアクセスポイントが必要です。日本と海外では、電源や電話回線に違いがあるので、その違いを理解しておく必要があります。 |
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■出発前に調べておくこと |
1.コンセントの形状 |
コンセントにはいろいろな形状があり、日本ではAタイプが使われています。ところが、世界中ではAタイプ以外に9種類ものコンセント形状があります。日本から持って行った電子機器を、現地のコンセントに差し込めるようにするのに必要なのが電源プラグアダプタです。行き先に合わせた形状の電源プラグアダプタを用意する必要があります。 |
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2.電圧 |
日本で使われている電圧は100ボルトです。他の国では110〜120ボルトあるいは220〜240ボルトが使われています。
電圧で気を付けなければならないことは、現地に持って行く電子機器の入力電圧が、何ボルトまで対応しているか、ということです。
持参した電子機器が、100ボルト専用か、100-120ボルト対応か、100-240ボルト対応かどうかは、電子機器本体あるいはACアダプタに記載されている電源仕様を見ることで判断できます。
INPUT 100V(あるいは「入力電圧100V」)とあれば、その製品は100ボルト専用です。変圧器(後述)を使って電源電圧を100ボルトに変換する必要があります。「100-120V」と記載されていれば、アメリカなど120ボルト地域まで変圧器なして使うことができます。
「100〜240V」と表記されている場合は、変圧器なしに海外でそのまま使うことができます。
エレコネクターには電圧チェック機能もついており、LED表示によって電圧を知ることが出来ます。 |
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100ボルト専用と100〜240ボルト対応の記載例
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3.電話回線 |
日本では、モジュラープラグにRJ-11と呼ばれるタイプが使われています。
このRJ-11は、アメリカを始めとして多くの国で使われている事実上の世界標準タイプです。
しかし世界中では、RJ-11と形状の異なる約40種類ものモジュラープラグが使われています。
そのため、日本で使っているモデムを海外の電話回線につなぐには、モジュラープラ グ変換アダプタが必要となります。
モジュラープラグ変換アダプタは、東京・秋葉原や大阪・日本橋のモバイルショップや量販店、大手旅行グッズショップ、空港内の電器屋で購入できます。 |
RJ-11モジュラープラグ
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4.インターネットプロバイダ |
インターネットにつなぐためには、インターネットプロバイダ(以下、プロバイダ) のアクセスポイントにダイヤルする必要があります。
日本であれば最寄りのアクセスポイントにダイヤルすればよいのですが、では海外でインターネットにつなぐにはどうしたらよいでしょうか?
a)国際電話によるアクセス
現地から国際電話で、普段利用しているプロバイダのアクセスポイント(AP)にダイヤルする方法です。
この方法のメリットは、パソコンの設定をほとんど変える必要がなく、海外に行っても比較的簡単にアクセスできることです。
その反面、国際電話料金はどの国でも非常に割高なため(ホテルから国際電話をかけると、実際の通話料の他にサービス料が上乗せされることが多い)、メールを何通か送受しただけで数千円もチャージされることもあります。
また、国際電話に付きものの時間差やエコー・ノイズは、データの送受に直接影響を与えるため、通信速度が落ちたり、回線が切れて何度もダイヤルし直すことになります。
b)現地アクセスポイントを利用する
大手プロバイダによっては、海外に自社のAPを設置しています。
これらの会員であれば、無料、あるいは1分数十円程度の使用料で、現地にあるアクセスポイントを利用できます。
つまり、海外にいながら市内電話料金でインターネットを使うことができます。
ただし全ての国にアクセスポイントがあるわけではないので、行き先によってはアクセスポイントがないこともあります。
c)国際ローミングサービス
各国各社のプロバイダが提携し、アクセスポイントを会員間で相互に使えるようにしたのがローミングと呼ばれるプロバイダ提携サービスです。主なローミングサービスには、現在"GRIC"と"iPass"の2つがあります。
GRICあるいはiPassに加盟しているプロバイダの会員は、電話代のほかに1分数十円程度のAP使用料を払うだけで、GRIC(あるいはiPass)に加盟している世界中のプロバイダのアクセスポイントを利用できます。
GRICもiPassも、国名と都市名を選ぶだけで利用できるAPを表示し、自動的にダイヤル・接続してくれる専用ソフト「ダイヤラー」を公開しています。ダイヤラーはGRIC・iPassのホームページから無料でダウンロードできます。
現在お使いのプロバイダが国際ローミングサービスに加盟している場合は、国際ローミングサービスやダイヤラーの利用方法についてホームページで解説しているはずですので、利用手続きや手順などを確認しておきましょう。
(参考 : 国際ローミング対応プロバイダー・SANNET)
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